紫外線・温度変化・湿度・風雨などにより、塗膜中の樹脂が劣化・風化し、塗膜中の顔料が表面に出てきてしまう現象です。表面に触れると指に粉状の顔料が付着するため、発生の判断が容易に出来ます。
この段階では建物内部への影響の無い状態ですが、放置しておくと劣化が内部へと進行していきますので、塗装時期を検討する上で重要な指標となります。このような場合、高圧水洗浄にて表面の顔料・ホコリなどを十分に除去してから塗替えを行うことが必要です。

塗膜が劣化してくると、塗膜の密着力が無くなり、はがれてくることが有ります。はがれてしまった部位は直接紫外線や風雨にさらされることになり、その分劣化も早く進みます。この写真のように木部だと木部本体のヤセ・反り・腐れなどが発生しやすくなりますので、早めの塗替えが必要となります。 工具などを用い、はがれかかった塗膜を十分に除去後、塗替え作業を行います。腐れ、反りなどがひどい場合は部材の交換を検討する必要もあります。

湿気のたまりやすいところ、日当たりのあまり良くないところでは、壁面にコケ・藻類が発生する事があります。建物本体には直接の劣化を及ぼすものではありませんが、著しく美観を損ねることになります。 高圧水洗浄でコケを落し、防藻・防カビ機能のある塗料で塗り替えることにより、発生を難しくすることが出来ます。

大気中のホコリや排気ガスなどの汚染物質により、壁面が写真のように汚れてしまうことが良くあります。特に、交通量の多い道路・鉄道の近く、工業地帯の近くの建物では顕著に発生します。建物自体の強度の低下には直接の影響を与えませんが、美観を損ね、建物の資産価値を低下させる要因となります。汚れにくい低汚染型塗料で塗り替えることにより、塗替え前より汚れにくくすることが出来ます。

建物施工後の地震・地盤沈下などによる建物の動きにより、壁面（写真はサイディングボード）にひび割れ・欠損などが発生することがあります。また、壁面に使用されているシーリング材も月日が立つにつれ、弾性を失ってもろくなり、ひび割れ・欠損が発生します。これらによる隙間から雨水などが建物内部に浸入し、内部からの劣化が進行しやすくなるばかりか、配線関係の故障や室内の汚損を起こす恐れがあるため、早急な対応が必要です。適正な方法での壁面のひび割れ補修とシーリング材の打ち替え後、塗替え塗装を行えば雨水の浸入を抑えることが出来ます。

コンクリート壁面に出来た小さなヒビ等から酸性雨等の雨水が浸入し、コンクリート内部の鉄筋が腐食し、膨張することにより、表面のモルタル層が浮き上がったり、欠落したりする現象です。写真のような状態ではコンクリート内部・鉄筋の劣化が早く進むだけでなく、モルタルの落下などの危険もあり、改修が早急に必要な状態です。写真のような状態の場合、はがれかかっているモルタル層を撤去し、露出している鉄筋の錆を落とし、錆止め塗装後、モルタル欠損部を補修してから、塗替えを行います。

塗装のしてある屋根材は定期的な塗り替えが必要になります。新築時には工場で塗装された状態の屋根材ですが、劣化が進み表面の塗膜が薄くなったり、無くなったりすると、屋根材に雨水等の水分が浸透しやすい状態になります。コケなどが発生しやすいだけでなく、水分の浸透・放散が繰り返されることにより屋根材の強度低下も招きます。 十分な高圧水洗浄後、屋根専用塗料で塗装を行い保護することが大切です。